ソーシャルレンディングは危ない?投資のリスクとリスクを減らす方法

ソーシャルレンディングは、近年高い利回りから欧米を中心に注目されている投資手法です。
しかし、一方で、ソーシャルレンディングは、危ないのではないかという事もささやかれているのです。

この記事では、ソーシャルレンディングは危ないのかについて解説します。

そして、ソーシャルレンディングが危ない事例について紹介するとともに、ソーシャルレンディングの投資リスクを減らす方法について説明します。

ソーシャルレンディングの投資について、興味のある方は、ぜひ最後までお読み下さい。

目次

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングとは、お金を貸して欲しい企業や人とお金を貸して利益を得たい投資家とをマッチングさせるサービスです。インターネット上でファンドを募集し、投資家が投資をし、そのお金を企業や人に貸し出し利益を得るというものです。

例えばソーシャルレンディングの会社が12%の利息で、企業にお金を貸し、その4%をソーシャルレンディングの会社が利益として受け取った場合、投資家は8%の利益が得られます。

このようにソーシャルレンディングは、高利回りという特徴があります。

ソーシャルレンディングは危ない?

ソーシャルレンディングは、高利回りで一見魅力的な投資手法ですが、以下のようなリスクがあります。

  • 延滞のリスクがあり危ない
  • 貸し倒れのリスクがあり危ない

ソーシャルレンディングのリスクについて、それぞれ説明しましょう。

ソーシャルレンディングは、延滞のリスクがあり危ない

ソーシャルレンディングは、延滞のリスクがあり危ないということが言えます。ソーシャルレンディングを利用した企業は、期日までに投資家にお金を返す必要がありるのです。

しかし企業の経営悪化などの理由により、お金が期日までに返されない場合があります。

延滞が起きてもすぐに返済されれば問題ないのですが、いつまでも返済されなかったり、貸倒れしてしまう(投資資金が返ってこない)ケースもあります。

ソーシャルレンディングを利用する場合には、返済の延滞のない企業を選択していく必要があるでしょう。

ソーシャルレンディングは、貸し倒れのリスクがあり危ない

ソーシャルレンディングは、貸し倒れリスクがあり危ないと言えます。貸し倒れとはお金を貸した企業が倒産してしまった場合などにより、返済できなくなり、投資家にお金が返ってこないということです。

貸し倒れが起きた場合には、ソーシャルレンディングで投資したお金は失ってしまうことになります。貸し倒れが起きた場合には、全額を失うか担保が返され一部失うかのケースがあります。

このようにソーシャルレンディングで延滞や貸し倒れが起き、危ないと言われるのには、いくつかの理由があります。

第一の理由としては、お金を貸す企業にとって返済期間や利率に負担が大きすぎるという場合です。

また二つ目の理由としては、ソーシャルレンディング会社による融資先の企業の調査が不十分であった場合です。

このようなソーシャルレンディングの延滞や貸し倒れのリスクを下げるには、信頼のあるソーシャルレンディングの会社を選んでいく必要があります。

ソーシャルレンディングのその他のリスク

ソーシャルレンディングには、その他に以下のようなリスクがあります。

  • ソーシャルレンディング事業者の廃業リスク
  • 中途解約できないリスク
  • 担保の価値が低下するリスク

ソーシャルレンディングのその他のリスクについて、それぞれ説明しましょう。

ソーシャルレンディング事業者の廃業リスク

ソーシャルレンディングにおいて延滞や貸し倒れがたくさん起き、信用を失い、ユーザーが離れていき、事業者が廃業するケースがあるのです。

ソーシャルレンディングの貸付先の企業が問題なかったとしても、ソーシャルレンディングの事業者が倒産してしまった場合には、預けていたお金が返ってこなくなります。

過去に延滞や貸し倒れが多く発生しているソーシャルレンディングのサービスは、危ないため利用しない方が良いでしょう。

中途解約できないリスク

ソーシャルレンディングは、中途解約できないリスクがあります。ソーシャルレンディングで一度融資をした場合には、契約が終わるまで解約できないのです。

そのため投資先に何か問題があった場合でも、中途解約できないというデメリットがあります。ソーシャルレンディングに投資する場合には、問題のない投資先かどうか見極める必要があるでしょう。

担保の価値が低下するリスク

ソーシャルレンディングには、担保の価値が低下するリスクもあります。ソーシャルレンディングで貸し倒れした際に、リスクを抑えるために担保が設定されている場合があります。

しかしその担保が投資先の会社の株である場合には、会社の運営がうまくいかない場合に、株価が下がることがあるのです。

つまり、担保の価値が低下するリスクがあるため危ないと言えます。

ソーシャルレンディングが危ない事例

ソーシャルレンディングには、以下のような危ない過去の事例があります。

  • maneoの貸し倒れ・延滞
  • SBIソーシャルレンディングの資金使途違反

ソーシャルレンディングの危ない事例について、それぞれ説明しましょう。

maneoの貸し倒れ・延滞

日本初のソーシャルレンディングサービスを行ったmaneoは、借り手の審査が不十分で、事前説明と違う用途で使われてる融資詐欺や、多くの貸し倒れ・延滞が発生していました。

このため、maneoは2018年に金融庁から行政処分を受けて、2019年には被害者から損害倍書を受けています。

つまり、ソーシャルレンディングを始めた会社が、このように危ない状況になっているのです。

SBIソーシャルレンディングの資金使途違反

東証一部上場企業であるSBIホールディングスが運営していたSBIソーシャルレンディングサービスにおいて、投資先の企業が借入用途以外に使用していたことが発覚しました。

太陽光発電関連会社のテクノシステムは、383億円もの資金調達に成功したのですが、借入用途以外に使用していたことや、他にも余罪があり社長ら3人が逮捕されました。

このことにより、SBIソーシャルレンディングは2021年5月に廃業しております。

その他の延滞や貸し倒れの事例は、以下のものがあります。

ソーシャルレンディング会社時期事例
OwnersBook(オーナーズブック)2021年3月1案件で分配遅延
クラウドクレジット2021年11月カメルーン案件で大規模な貸し倒れ

日本のソーシャルレンディングは発展途上

日本のソーシャルレンディングは、まだまだ発展途上です。一部の業者には不正もありますし、貸し倒れのリスクなどが、あまり知れ渡っていません。

ソーシャルレンディングサービスは、信頼のおける投資手法でないというのが現状と言えます。

高利回りであることばかりが強調されており、リスクを正確に伝えられてないとソーシャルレンディングの業界においては、マイナスとなるでしょう。

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らす方法

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らす方法は、以下のようなことがあります。

  • 余剰資金により投資する
  • 匿名でない運営会社を利用する
  • 運用期間が短いものを選ぶ
  • 返済実績のある会社を選ぶ

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らす方法について、それぞれ説明します。

余剰資金により投資する

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らすには、余剰資金による投資が大事です。ソーシャルレンディングは貸し倒れのリスクがあるため、無くなってもいい余剰資金で投資する必要があります。

間違っても高利回りに目を奪われて、生活資金を投資するようなことをしないようにしましょう。

匿名でない運営会社を利用する

匿名でないソーシャルレンディングの運営会社を利用するようにします。かつては、匿名の運営会社が多く存在しましたが、現在では匿名を解除している会社があります。

匿名でない運営会社の方が信用は得られるため、そのようなソーシャルレンディングの会社を使うようにしましょう。

運用期間が短いものを選ぶ

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らすためには、運用期間が短いものを選ぶと良いでしょう。一般的に金融投資においては投資期間が長い方がリスクは低くなると言われています。

しかしソーシャルレンディングの場合には、運用期間が長いほど借り手側の運営状況が悪化することや、担保の価値が低下する可能性があります。

ソーシャルレンディングの運用期間の目安としては、6ヶ月以内のものを選ぶといいでしょう。

返済実績のある会社を選ぶ

ソーシャルレンディングの投資リスクを減らすためには、返済実績のある会社を選ぶようにするということです。どれだけ貸し倒れのリスクがないかということは、返済実績があるかどうかで判断することが可能です。

返済の延滞がある会社は避けて、より信頼のおける会社に貸すということをしていくと良いでしょう。

ソーシャルレンディングは危ないのか?まとめ

ソーシャルレンディングは、以下のようなリスクがあり危ないと言えます。

  • 延滞のリスク
  • 貸し倒れのリスク
  • ソーシャルレンディング事業者の廃業リスク
  • 中途解約できないリスク
  • 担保の価値が低下するリスク

ソーシャルレンディングは、高利回りである一方でリスクが高いという、ハイリスクハイリターンの投資であると言えます。

短期間に高い利回りを得たいという人であれば、投資しても良いかもしれません。しかし、株や投資信託、REITなどその他の投資に比べて、リスクが高いことを理解した上で、投資していく必要があるでしょう。

執筆者情報:土橋健太郎
脊髄損傷になったのを機に、投資をして自己資金の運用をしています。金融投資や不動産投資などを実施しています。
また自身でも投資に関するブログを運営しており、ライターとして2018年より活動しております。
企業の投資や会社設立、ビジネスなどのテーマを中心に執筆しています。

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