「寄付型クラウドファンディングってなに?」
と思っている方も多いかと思います。
確かにクラウドファンディングにも多くの種類があり、違いが分かりにくいですよね。
そこでこの記事では、寄付型クラウドファンディングの特徴やメリット・デメリット、事例などを詳しく解説しています。
この記事を読んで、早速寄付型クラウドファンディングに参加しましょう!
ざっくりまとめると…
- 寄付型クラウドファンディングは社会課題の解決を目的としている
- コロナ対策や発展途上国の支援、子供の教育支援など様々なプロジェクトがある
- 金銭的なリターンは基本的に期待できない
- 支援者は税制の優遇を受けることができる場合がある
- 寄付型クラウドファンディングはGoodMorningが最もおすすめ
寄付型クラウドファンディングとは
寄付型クラウドファンディングとは、支援者からのお金を「寄付金」として受け取ることのできるクラウドファンディングになります。
基本的に商品やサービス、株などのリターンは発生することはなく、寄付の意味合いが大きいクラウドファンディングとなります。
プロジェクト内容は、被災地の支援やSDGsなどの社会課題への取り組み、調査研究活動などの社会貢献性の高いものが多いのが特徴です。
寄付型クラウドファンディングの仕組み
寄付型クラウドファンディングは、上の画像のような流れで行われます。
起案者が寄付型クラウドファンディングのサービスを介して、支援を募り、集まった支援金が起案者へと渡ります。
寄付が完了した後は、起案者から支援者に向けて、お礼のメッセージや直近の活動報告などが行われます。
他のクラウドファンディングとの違い
クラウドファンディングには、主に寄付型・購入型・貸付型・不動産投資型・株式投資型の5種類があります。
それぞれを簡単に表にまとめて比較していきます。
このようにクラウドファンディングには様々な種類がありますが、寄付型クラウドファンディングは唯一特別なリターンを求めず、社会貢献のために行われています。
種類 | リターン | 資金調達の仕組み | 代表的な事業者 |
---|---|---|---|
寄付型 | 原則なし | 社会貢献性の高い案件に、共感を動機に 持つ個人投資家から寄付を募る | GoodMorning Ready for |
購入型 | 商品 サービス | 特定の商品やサービスを対価に、 事業の活動資金を調達する | CAMPFIRE Makuake |
融資型 (ソーシャル レンディング) | 利息 | 会社や個人の事業などに必要な資金を従来の 融資よりも低金利で多くの個人投資家から集 め、貸してもらう | Bankers Crowd Bank |
ファンド投資型 | 利息 | 不動産賃貸の運営や売買などの事業に対して 個人投資家から資金を集め、貸してもらう | OwnersBook CREAL |
株式投資型 | 未上場株 株主優待 | 未上場企業に対して、将来のIPOやM&A などのイグジットを期待して、出資を募る | FUNDINNO イークラウド |
寄付型クラウドファンディングのメリット
メリット
- プロジェクトへの支援を通じて、社会課題の解決に貢献できる
- 支援金が活用されている様子を定期的に確認できる
- 支援者は寄付金控除を受けられる場合がある
- 起案者の金銭的な負担が少ない
- 起案者は事業者のサポートを受けることができる
プロジェクトへの支援を通じて、社会課題の解決に貢献できる
先ほども説明したように、寄付型クラウドファンディングは社会課題を解決するために資金を集めている場合がほとんどです。
これらのプロジェクトへの寄付を通じて、支援者も社会課題の解決に貢献することができます。
街中やコンビニなどで、寄付を行なっていることも多いですが、寄付型クラウドファンディングでは歩き回ることなく、自分の支援したいプロジェクトを見つけ出すことができます!
支援金が活用されている様子を定期的に確認できる
寄付型クラウドファンディングでは、定期的に活動報告をするプロジェクトが多いため、支援金が実際にどのように使われているのか確認することができます。
コンビニや路上で寄付を募っている姿を見かけることがあると思いますが、それらの寄付によって集まった資金が実際にどこに使われているのか不透明な場合が多いのが現状です。
それが原因でなかなか寄付に踏み出せない方も多いでしょう。
しかし、寄付型クラウドファンディングではリターンとして定期的な活動報告をしている場合が多いため、寄付の手触り感と達成感を味わうことができます。
支援者は寄附金控除を受けられる場合がある
寄付型クラウドファンディングでは、一定の条件を満たせば支援者は寄附金控除を受けることができる場合があります。
寄附金控除とは、学校法人や認定NPO法人などに対し寄付を行なった場合、「その年に支出した特定寄付金の額の合計額」「その年の総所得金額等の40%相当額」のいずれか低い金額から2000円を引いた額を所得から差し引くことができる制度のことです。
所得が低くなる分、支援者が支払う所得税が少なく済みます。
記事の後半でさらに詳しく解説します!
起案者の金銭的な負担が少ない
寄付型クラウドファンディングでは、商品やサービスのリターンがない分、起案者の金銭的負担が少ないという特徴があります。
他のクラウドファンディングでは、基本的に商品や利息などのリターンが必要となります。
しかし、寄付型クラウドファンディングでは活動報告やお礼のメッセージがリターンとなるため、集めたお金をほぼ全て社会貢献に利用することができます。
起案者は事業者のサポートを受けることができる
寄付型クラウドファンディングのサービス事業者が、起案から達成までサポートしてくれます。
そのため、起案者は初めてのプロジェクトだとしても、安心してプロジェクトを立ち上げることができます。
寄付型クラウドファンディングのデメリット
デメリット
- 金銭的なリターンを期待できない
- 起案者に税金がかかる
金銭的なリターンを期待できない
寄付型クラウドファンディングはあくまで、「寄付」の意味合いが強く、金銭的なリターンを期待する資産運用方法としては期待できません。
金銭的なリターンを求めている方は、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や株式投資型クラウドファンディングの案件を選びましょう。
起案者に税金がかかる
寄付型クラウドファンディングで集めたお金には税金がかかります。
起案者が個人であった場合、受け取った支援額が110万円を超えると「贈与税」を納めなければなりません。
また起案者が法人であった場合、受け取った支援額に関わらず「法人税」を納めなければなりません。
ただし、プロジェクト実施者がNPO法人や公益財団法人であり、収益事業を行なっていない場合に限り、法人税が非課税となります。
後ほど詳しく解説します。
寄付型クラウドファンディングの事例を紹介
事例その1:【新型コロナ】住まいや収入を失った人を支援したい
- 当初の目標金額:1,000,000円
- 実際に集まった支援総額:10,959,000円
- 支援者数:775人
起案者である認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいは、日本の貧困問題を社会的に解決するというミッションのもと、2001年から貧困問題に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、新型コロナウイルスによって住まいを失ったり、収入が減ってしまった人たちに対して相談会を開催し、必要に応じて、宿泊場所や生活費の援助、生活物資の提供、公的支援利用のためのサポートなどを行っています。
緊急で募集されたこのプロジェクトは多くの人から共感を生み、目標金額である100万円を大きく上回る1000万円もの寄付金が集まりました。
『【新型コロナ】住まいや収入を失った人を支援したい』の詳細はこちら!
事例その2:クーデター下のミャンマー市民へ医療・食糧支援を。
- 当初の目標金額:5,000,000円
- 実際に集まった支援総額:55,122,000円
- 支援者数:5,102人
起案者であるミャンマー緊急支援チーム21#JUSTMyanmar21は、2021年2月1日の軍事クーデターと市民不服従運動を受けて、ミャンマーとかかW理の深い研究者、NGO活動家、ジャーナリスト、学生を中心に結成されました。
このプロジェクトでは、ミャンマーでの軍事クーデター後に国軍や警察から暴力を受けた人々のための医療を最優先で支援しています。
それに加え、不服従運動に参加中の公務員など、拘束される恐れのある人々のための避難所と食糧の確保を支援しています。
国外かつ寄付金控除のない案件でしたが、日本でも大きく報道されている事件ということもあり、目標金額の約11倍もの支援金が集まりました。
『クーデター下のミャンマー市民へ医療・食糧支援を。』の詳細はこちら!
事例その3:"あそびのなかに、未来がある”こどもの国「豊かな緑の森」サステナブルプロジェクト
- 当初の目標金額:10,000,000円
- 実際に集まった支援総額:15,016,800
- 支援者数:1769人
起案者である社会福祉法人こどもの国協会は、多摩丘陵の自然を生かした遊び場で、年間80万人以上の来場者数を誇るこどもの国を運営しています。
このプロジェクトは、コロナによる休園により収入が激減し、敷地内の樹木や竹林の整備などに必要となる費用が不足しているため、それらを補填する目的で行われています。
寄付型クラウドファンディングには珍しく、リターンとしてこどもの国の招待券をもらうことができることもあり、目標金額の1.5倍もの寄付金が集まりました。
『"あそびのなかに、未来がある”こどもの国「豊かな緑の森」サステナブルプロジェクト』の詳細はこちら!
おすすめの寄付型クラウドファンディングサービス3選!
サービス3選
- GoodMorning(グッドモーニング)
- READYFOR(レディーフォー)
- A-port(エーポート)
GoodMorning(グットモーニング)
- クラウドファンディング大手のCAMPFIREグループが運営している
- CAMPFIREにも掲載されるため集客力に優れている
- 起案者側の手数料が9%と安く設定されている
GoodMorning(グッドモーニング)は、購入型クラウドファンディングで圧倒的な地位を誇るCAMPFIREグループに属しています。
CAMPFIREではグループ内の他サービスのプロジェクトも掲載しているため、もともと寄付型クラウドファンディングに興味がなかった人の目にも届きやすく、集客力に優れているという特徴があります。
また、起案者側がGoodMorning(グッドモーニング)に支払う手数料が以前は16%でしたが、業界最安水準の9%まで引き下げられ、少しでも多くの支援を社会課題の解決に繋げたいという考えが伺えます。
READYFOR(レディーフォー)
- 日本で最初のクラウドファンディングサービス!
- 寄付型クラウドファンディングのシェアNo.1
- 起案者に対して2つの料金プランが用意されている
READYFOR(レディーフォー)は日本初のクラウドファンディングサービスとして、圧倒的な実績を誇っています。
特に寄付型クラウドファンディングとしては、達成率・支援額・シェアにおいてNo.1を獲得しています。
そのため、寄付型クラウドファンディングで自分の気になるようなプロジェクトを見つけ出せる可能性が高いでしょう!
また、起案者としても料金プランが2つ用意されているため、自分の経験やプロジェクトのスケールなどに応じて選択することができます!
A-port(エーポート)
- 朝日新聞社が運営している
- 雑誌や新聞、WEBなど様々な媒体でプロジェクトを宣伝している
- 寄付型と購入型のプロジェクトがある
A-port(エーポート)は朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサービスです。
そのため、新聞社が強みとする情報発信力を最大限活用し、新聞や雑誌、WEBなど様々な媒体でプロジェクトの宣伝が行われています。
また、強みである編集力によってプロジェクトの魅力を引き出すサポートをしてくれます。
このように多くの資金を必要としている起案者にとって非常に魅力的な寄付型クラウドファンディングサービスとなっています。
寄付型クラウドファンディングの法規制
起案者に関する規制
プロジェクトの起案者は、支援者からの寄付を受けた場合、金銭の寄付を受けた時点で税金を支払う義務が生じます。
税金は起案者が個人か法人かによって異なるので、それぞれの場合で解説します。
起案者が個人の場合の規制
プロジェクトの起案者が個人の場合、寄付を受けた金額が110万円の基礎控除の部分を超えた金額に、贈与税がかかります。
超えた金額によって税率が変わりますが、10~55%となっています。
起案者が法人の場合の規制
プロジェクトの起案者が法人の場合、原則として、寄付を受けた額に対して法人税がかかります。
ただし、起案者がNPO法人や公益財団法人などであり、かつプロジェクトの内容が公益性のある事業の場合には、例外として法人税はかかりません。
消費税に関する規制
寄付行為は消費税法上、課税対象外取引(課税されない取引)とされているため、個人・法人に関わらず、寄付を受けたとしても消費税はかかりません。
返礼品に関する規制
プロジェクトの起案者が寄付に対してリターンをする場合には、総理大臣通知という規制が課されます。
総理大臣通知とは、ふるさと納税制度でも適応されており、過剰なリターン(返礼品)を抑制する意味合いがあります。
具体的には、換金性が高いプリペイドカードや寄付金に対して返礼割合の高い高額なものをリターン(返礼品)にすることができません。
冒頭の方で寄付型クラウドファンディングは、他のクラウドファンディングと比較してリターンがほとんどないと説明しましたが、実際にはお礼のメッセージなど何らかのリターンが行われることが多いです。
そのため、このリターンが過剰になってしまうともはや寄付とは言えず、支援者が寄附金控除などの税務上のメリットを享受できなくなってしまうリスクがあります。
支援者に関する規制
以下の4つの条件を満たした場合、支援者は寄附金控除を受けることができる場合があります。
- 寄付型クラウドファンディングであること
- 寄付先が、認定NPO法人、学校法人、自治体など一定の条件を満たすと認められた団体であること
- 寄付金を示す領収書をもらえること
- 1/1~12/31までの寄付額が2000円以上であること
これらを満たすプロジェクトにおいて、寄付先の団体によって、寄附金控除(所得控除)なのか寄附金特別控除(税額控除)が変わってくるため、それぞれ解説していきます。
寄付先が学校法人や自治体などの場合の規制
寄付先が学校法人や自治体などの場合、寄附金控除を受けることができます。
寄附金控除は以下の式によって計算されます。
(その年中に支出した特別寄付金の額の合計額)-(2000円)=(寄附金控除額)
※特定寄付金の額の合計学は所得金額の40%が上限になっています。
この寄附金控除額は所得控除なので、所得から引かれ、所得税や住民税を安くすることができます。
寄付先が認定NPO法人の場合の規制
寄付先が認定NPO法人の場合、寄付金控除(所得控除)を受けるか、認定NPO法人等寄付金特別控除(税額控除)を受けるか、どちらか有利な方を選択することができます。
寄附金控除に関しては先ほど説明したため、認定NPO法人等寄付金特別控除に関して解説します。
認定NPO法人等寄付金特別控除は以下の式によって計算されます。
(その年中に支出した認定NPO法人等に対する寄附金の額の合計額−2000円)×40%=(認定NPO法人等寄附金特別控除額)
※寄附金の額の合計は原則として所得金額の40%が上限になっています。また、特別控除額の合計学はその年分の所得税額の25%が上限となっています。
この認定NPO法人等寄附金特別控除は税額控除なので、この式で計算された金額をそのまま税額から差し引くことができます。
寄付先が公益社団法人の場合の規制
寄付先が公益社団法人の場合、寄付金控除(所得控除)を受けるか、公益社団法人等寄付金特別控除(税額控除)を受けるか、どちらか有利な方を選択することができます。
寄附金控除に関しては先ほど説明したため、公益社団法人等寄付金特別控除に関して解説します。
認定NPO法人等寄付金特別控除は以下の式によって計算されます。
(その年中に支出した公益社団法人等に対する寄附金(一定の要件を満たすもの)の額の合計額−2000円)×40%=(公益社団法人等寄附金特別控除額)
※寄附金の額の合計は原則として所得金額の40%が上限になっています。また、特別控除額の合計学はその年分の所得税額の25%が上限となっています。
この公益社団法人等寄附金特別控除は税額控除なので、この式で計算された金額をそのまま税額から差し引くことができます。
寄付型クラウドファンディング まとめ
ざっくりまとめると…
- 寄付型クラウドファンディングは社会課題の解決を目的としている
- コロナ対策や発展途上国の支援、子供の教育支援など様々なプロジェクトがある
- 金銭的なリターンは基本的に期待できない
- 支援者は税制の優遇を受けることができる場合がある
- 寄付型クラウドファンディングはGoodMorningが最もおすすめ
この記事では、寄付型クラウドファンディングの特徴やメリット・デメリット、事例、規制などについて詳しく解説しました。
寄付型クラウドファンディングは金銭的なメリットは少ないですが、手軽に社会課題の解決に向けた活動を支援することができます。
コンビニや路上でも寄付はすることができますが、資金の利用目的が不透明な場合が多いのが現状です。
寄付型クラウドファンディングでは、寄付をした後も定期的に活動報告がある場合が多く、支援金が実際に役立っている様子を確認することができます。
社会課題の解決に興味がある方は、ぜひ参加してみましょう!