70代の方で積立NISAを始めようか悩んでいる人も多いです。例えば、
- 年齢的にもう積立NISAは無理なの?
- 積立NISAは若い人向けの投資方法なの?
- 今から積立NISAを始めるメリットはあるの?
人生100年時代、貯金だけでは老後の備えは万全とは言えません。かといって、投資に失敗して大切なお金を失うことは絶対に避けたいですよね。そんな方におすすめなのが、まさに積立NISAです。
今回は70代から始める積立NISAについて解説していきます。
この記事を読めば、積立NISAを理解でき、老後を豊かに過ごす方法がわかります。
積立NISAは何歳まで?上限はないので70代もOK!
70代の方で積立NISAを始めようかと悩んでいる方は、年齢や投資期間に制限があるかもしれないという不安があったりします。
また、『この年齢で始めてもメリットがないのでは?』といった疑問を持たれる方も多いです。
しかし、積立NISAには下記の特徴がありますので、問題ありません。正しい知識をしっかりと身につけておきましょう。
- 年齢の上限はない(70代もOK)
- 2042年までなので注意!
- 積立投資に年齢は関係ない
それぞれを解説します。
年齢の上限はない(70代もOK)
積立NISAに制度としての年齢上限はありません。日本にお住まいの20歳以上の方なら、どなたでも積立NISAを始めることができます。
つまり、100歳からでも積立NISAを始めることは可能。ですから、70代の方も、まったく問題なく積立NISAを始めることができます。
ただし、積立NISAは20年間の長期投資を前提としたものです。積立投資は早く始めるほど、『時間』を味方につけて投資を有利に進めることができます。
年齢の上限がないからと言って安心せず、できるだけ早めに動き出すことが大切です。
2042年までなので注意!
積立NISAには年齢による制限はありませんが、積立NISAの投資可能期間が2042年までと定められています。
積立NISAは年間40万円まで非課税で投資ができますが、そのトータルの投資総額は最大800万円。つまり、20年分の積み立てができます。
ここで注意したいのが2042年までということ。現在は2022年なので、残りがちょうど20年ほどです。
今から始めないと20年分の積み立てをフルに使いきることができません。
20年分をフル活用して積み立てをするには、今すぐに積立NISAを始めましょう。
積立投資に年齢は関係ない
積立NISAは20年間の長期投資を前提としたものです。そのため、高齢の方には不向きな投資であるように思ってしまう方も多いです。
しかし、積立投資を始めるのに年齢はあまり関係ありません。なぜなら、今は人生100年時代と言われているからです。2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳。これからは、90歳、100歳まで生きる人が多くなっていきます。
(日本の平均寿命:https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1043.html)
70代から積立NISAを始めたとしても、残りの人生はあと30年もあるかもしれません。長い人生を少しでも豊かに過ごしたいと考えるなら、長期投資を前提とした資産形成が必要です。今すぐに積立NISAを始める方が良いでしょう。
70代が投資でやってはいけないこと
投資を始めたばかりの人が陥りがちな失敗を解説します。特に70代の方が投資でやってはいけないことは以下の4つです。
- 焦って短期投資に大金を注ぎ込む
- リスクを恐れて投資をやらない
- 途中で積立をやめてしまう
- 生活費と投資資金を混ぜてしまう
それぞれを解説します。
焦って短期投資に大金を注ぎ込む
『老後の資金が足りないかもしれない』そんな不安に駆られて短期投資に失敗し、大切なお金を余計に減らしてしまっては元も子もありません。
短期投資は投資初心者には難しいです。短期投資というのは、百戦錬磨の投資のプロがやっていることです。投資初心者が短期投資で結果を出すのは、ほぼ無理だと思った方が良いでしょう。
例えて言うなら、プロボクサーにボクシング初心者が戦いを挑むようなもの。そんな無謀な行為が、投資初心者が短期投資で結果を出そうとすることです。
70代になるまで頑張って貯めた老後の生活費や財産を、焦って短期投資に注ぎ込んでしまうことは絶対に避けましょう。
リスクを恐れて投資をやらない
投資にはリスクがあります。だからといって、まったくリスクを取らずに投資をやらないのも考えもの。
なぜなら、現金はインフレに弱いため、長期で考えると資産が実質的に目減りしてしまうからです。
今の100万円は、20年後に100万円の価値はありません。世界的にインフレが進行しており、国内でも物価が高くなっていることを実感されている方も多いのではないでしょうか。
投資のリスクを恐れすぎて、貯蓄だけに頼るのは資産を減らすことに他なりません。
大切なことは、『適正なリスクを取ること』。適正なリスクを取らないことは、むしろリスクです。
積立NISAは短期投資ではなく長期投資。ローリスク・ローリターンの手堅い投資方法のひとつ。
70代の方が、『投資=危ない』と考えて『現金=安全』と考えてしまうのは、むしろリスクを抱えるようなものです。
途中で積立をやめてしまう
積立NISAを始めたタイミングによっては、大きく値上がりしたり値下がりしたりします。こうした価格変動にまどわされて、途中で積立NISAを解約してしまう人も多いです。
積立NISAは長期投資を目的としたもの。どんなに評価額が下がったとしても、長期的に見れば問題ないことが多いです。
また、評価額が上がったことによって、利益確定したくなる誘惑にかられることもあります。しかし、長期投資を続けていれば、もっと大きな果実を得られるかもしれません。
積立NISAは途中で解約しないことがとても大切です。
※iDeCoは2022年5月以降、65歳未満の方まで加入できます。
強い意志を持って長期投資が出来そうもないという方は、途中解約できないiDecoがおすすめ。
iDeCoは途中解約ができません。そのため、積立を継続できる自信がない人はiDeCoを検討してみましょう。
生活費と投資資金を混ぜてしまう
生活費と投資資金をはっきりと分けておきましょう。生活を防衛するお金と、投資に回せるお金が明確になることで、安全な資産運用ができます。
生活費と投資資金を分けておかないと、生活に必要なお金も投資に回してしまうことになりかねません。生活に必要なお金が不足してしまうと、せっかくの長期投資を途中で解約することになりかねないのです。
積立NISAは年間40万円という上限がありますが、40万円以下でも投資が可能です。例えば、年間10万円でも良いということです。大切なことは長期投資を無理なく続けること。
少額でコツコツと長期にわたって投資できることが、積立NISAのメリットです。
70代の大切な老後資金を守るためにも、生活費と投資資金をはっきりと分けて、長期投資を続けていきましょう。
年代別におすすめのマネープラン
年代別におすすめのマネープランをご紹介します。
投資は年代によって、取れるリスクの大きさや投資できる期間が変わります。ここでは以下の年代別におすすめ運用方法をご紹介。
- 50代以降の方におすすめの運用方法
- 20代〜30歳までにおすすめの運用方法
- 30代〜50歳までにおすすめの運用方法
それぞれを解説します。
50代以降の方におすすめの運用方法
50代以降の方におすすめの運用方法は、比較的価格変動の小さい投資信託や、積立投資などです。
価格変動の激しい投資商品は避けた方が良いでしょう。なぜなら、50代以降の方は病気や介護などで急な出費が必要になった場合、やむを得ず長期投資を断念しなければならない時もあるからです。
50代以降の場合、いざという時の出費が急に必要になるかもしれません。その時に価格変動の激しい投資商品を選んでいた場合、大きなマイナスで損切りをすることになるかもしれないのです。
手堅い複数の投資商品で運用し、リスクを分散させる方法が良いでしょう。
急な出費がずっと必要ない場合もあります。長期投資で堅実にコツコツ増やしていける積立NISAはおすすめです。
20代〜30歳におすすめの運用方法
20~30歳の方は、働き始めたばかりで収入が少なくても、これから資産を増やしていくことができます。なぜなら、時間という最大の強みを味方につけられるからです。
積立NISAなどの少額から始められる投資に挑戦していきましょう。
積立NISAなら、積立金額を必要に応じて変更できます。最大で年間40万円(月額33,333円)までが投資可能な金額となりますが、月1000円くらい始めてもOK。
できるだけ早い時期から積立を始めることで、時間という強い味方を最大限に活かせます。欲しいものや買いたいものをすこし我慢するだけで、30代以降の資金を充実させることができます。
30代〜50歳におすすめの運用方法
30代~50歳までの方なら、収入が増えて投資可能な資金も大きくなっている方も多いです。そのため、比較的価格変動の大きな投資に挑戦しても良いでしょう。
FXや仮想通貨などの価格変動の大きな投資に挑戦することで、資産を大きく増やせるチャンスがあります。投資可能な金額を明確にしていれば、仮に損失が発生しても生活資金を失うことはありません。
収入をしっかりと確保しながら積立NISAで堅実な投資をして、余裕があればFXや仮想通貨にも挑戦してみましょう。
ただし、大きな利益を狙ってレバレッジを使った投資や生活防衛資金を投じてしまうことだけは絶対に行わないでください。
70代の方が積立NISAなどの投資をする際の注意点
70代の方が積立NISAなどの投資をする際の注意点を改めて確認しておきましょう。投資は資産が増えることもあれば、資産を大きく減らしてしまう可能性もあります。
投資で大切なお金を失わないために大切なことは、
- 余裕資金と生活資金をはっきりする
- 一攫千金を狙うものではない
- 資産は一箇所に集めない
- うまい話には裏があると思うこと
それぞれを解説します。
余裕資金と生活資金をはっきりする
70代の方も、投資に回せる余裕資金と生活資金ははっきりと分けておきましょう。
生活資金と余裕資金がごっちゃになってしまうと、損失が出たときにやめどきがわからなくなったり、際限なく大きな損失を出したりしてしまう可能性があります。
生活資金が分かれていれば、投資でどんなに損失が出ても生活には支障がありません。
投資は長く継続していくことが大切。生活資金をしっかりと確保して、余裕資金を使って投資をしていきましょう。
一攫千金を狙うものではない
投資とは一獲千金を狙うものではありません。投資というと短期売買を繰り返したり、一気に何十倍にもお金を増やしたりするイメージがあるかもしれません。
しかし、それは投資のプロが為せる技。投資初心者がやることではありません。
投資初心者は長期投資で堅実な利益を積み上げることが大切。
間違っても投資初心者が一攫千金を狙ってはいけません。
資産は一箇所に集めない
投資する資産は一箇所に集めないことが大切です。資産は一箇所に集めるとその会社や金融機関が潰れてしまった時に全てなくなってしまうリスクがあります。
銀行にしろ投資先にしろ、資産は必ず分散させること。
投資の世界では昔から、『卵は一つのカゴに盛るな』と言います。
一つのカゴにすべての卵を盛っていたら、カゴを落としたらすべての卵を割ってしまいます。複数のカゴに卵を分散して盛れば、一度にすべての卵を失うことはありません。
資産を分散させることで、資産を失ったり大きな損失を出したりするリスクを軽減できます。
うまい話には裏があると思うこと
投資にうまい儲け話はないと考えましょう。どこかにうまい話があるかもしれないと思っていると、大切なお金を失うことになりかねません。
うまい話には裏があります。100%儲かるなんて話は、絶対に存在しません。
金融庁のホームページには、投資被害を防止するための注意文があります。下記のような勧誘は、詐欺の可能性が高いそうなので充分に注意しましょう。
◆「上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!」
◆「△△社の株(社債など)を買ってくれたら、あとで高く買い取ります。」
◆「被害を回復してあげます。その代わり、別の商品(□□社の株式・社債など)を買ってください。」
◆「郵便や宅配便等で現金を送付してください。」
◆「金融庁(その他公的機関名)の者ですが・・・・」
金融庁:https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/attention.html
値段が確実に上がるものや元本が必ず保証されるもの、限られた人にしか紹介されていないもの、すぐに入金が必要なもの、損失の穴埋めをしてくれるようなもの、こういった商品はほぼ詐欺とみて良いでしょう。
仮にそのような商品があったとしたら、わざわざコストをかけて他人を勧誘せずに自分たちだけでこっそりと投資をして儲けているはずです。
投資では、うまい話には裏があると思うことが大切です。
70代の方は、孫世代に残すことよりも自分の資産を増やすことを考えよう
70代の方の多くは、子や孫世代に少しでも資産を残してあげたいと考える方も多いことでしょう。そのため、生活費を切り詰めて貯金をしていませんか?
- 自分を優先することが孫世代のためになるから
- 息子娘世代にも負担がかからない
それぞれを解説します。
自分を優先することが孫世代のためになるから
「孫のためにお金を貯めよう!」と考えるのは、自分の資金が充実している人ならいいと思いますが、自分の資金が不安ならまずはそれを増やすべきです。
自分の資産を増やせれば、それが巡り巡って孫世代のためになります。
70代の方にこそ、長期投資で安定した運用をしつつ、こつこつと資産を増やせる積立NISAがおすすめです。
息子や娘世代にも負担がかからないから
自分の資金が充実すれば、息子や娘世代にも負担がかかりません。介護施設の費用も負担できるし、それでも余るなら子や孫の世代に資産を受け継ぐこともできます。
本当に大切なことは、できるだけ長く自分がいきいきと生活することです。そのためには貯金だけではインフレリスクに対応できません。資産を少しでも増やしていかないと、長い人生を乗り切る資金が不足する可能性があります。
自分が投資をすることで資産が増やせれば、子や孫の代にも楽をさせてあげることができます。
70代からでも積立NISAを始めていきましょう!
まとめ 積立NISAは70代でもOK!
今回は70代の方に向けて、積立NISAについて解説しました。
- 積立NISAに年齢制限はない、ただし投資が可能なのは2042年まで。
- 焦って短期投資をしたり、投資をしないのも人生100年時代にはリスク
- 生活資金と投資資金を分けて、生活に支障がでないようにする
- 子や孫のために貯金を残そうとするより、資産運用することが大切
- 積立NISAは投資初心者でも失敗しない長期投資ができる
投資を始めようかとお悩みの70代の方は、早めに積立NISAを始めましょう。投資初心者が投資で失敗しないためには、できるだけ長い時間を使って資産運用することが大切。
積立NISAなら、年間40万円まで非課税で投資をすることができます。長期でじっくりと運用して豊かな老後を過ごすためにも、無理のない金額で積立NISAを開始しましょう。
以上、70代のための積立NISAの解説でした。