- クラウドファンディングはなぜ難しいのか
- 資金集めが難しいと言われる3つの理由
- 成功するための5つのコツ
- 資金集めの前に知っておくべき心構え
「クラウドファンディングをやれば、すぐ資金が集まるだろう」と安易に考えると高確率で失敗します。確実に成功させるにはしっかりとした施策が必要です。
本記事ではクラウドファンディングの資金集めが難しいとされる理由や、無事に成功するための5箇条を紹介しています。記事を読むことで、クラウドファンディングでの資金集めがグッと楽になるでしょう！
クラウドファンディングは難しい？【結論：対策しないと難しい】
結論から言うと、クラウドファンディングでの資金集めは難しいです。ただしご紹介する5つのポイントをしっかり押さえれば、難易度はグッと下がります。
決して簡単なものではありませんが、国内最大手のクラウドファンディング会社「READY FOR」では4人に3人が成功していますます。
つまりクラウドファンディングの知名度 = 自社の知名度と誤認しなければ、下準備の段階からつまずく可能性は低くなるのです。
資金集めに成功している企業や個人は、必ず①積極的な顔出しPR・②SNSでプロジェクトを拡散・③PV数に対する出資者の割合を理解している、の3点を実践しています。
①プロジェクトに投資する側としては、どんな人が資金を集めているのか気になります。例えるなら、スーパーの野菜売り場に掲載されている生産者の顔です。
もし資金集めをしている企業や個人が、誰一人顔写真を掲載していないと、投資家としてはお金を預けたくない心理が働きます。
②ただプロジェクトを掲載するだけでは、投資家からの注目は得られません。成功している企業ほど、SNSでの拡散を積極的に行っています。
③実際に出資してくれる投資家の割合は、プロジェクトを閲覧したPV数の1%と言われています。この割合を熟知していないと、資金集めは成功しません。
クラウドファンディングは適切に対策しないと資金集めに失敗するため、難しいとされています。
クラウドファンディングが難しいと言われる3つの理由
クラウドファンディングが難しいと言われる理由は、他にも3つあります。
知名度の向上によって参入者が増えたことで、プロジェクトの埋没・魅力のあるリターンが必須・同一プロジェクトの出現といった問題が生じています。
これら3つに共通するのは「プロジェクトに魅力を感じてもらえない」という問題です。十分な宣伝ができていないプロジェクトは、そのほとんどが失敗します。
これからクラウドファンディングで資金集めを計画している企業や個人は、これらの問題点を事前にチェックしておきましょう。
- 意図が伝わらないプロジェクトは注目されない
- 魅力的なリターンを用意しなければならない
- プロジェクトが被る可能性が高い
意図が伝わらないプロジェクトは注目されない
内容がわかりづらい、もしくは意図が伝わらないプロジェクトは投資家にスルーされがちです。
例えば専門用語がちりばめられたタイトルだと、多くの人は内容を読まずにスルーしてしまいます。タイトルもユーザーファーストで決めるのがポイントです。
このように多くの人が理解していない用語が多く入っているタイトルは、高確率で避けられる原因になります。一方、タイトルだけで簡単に内容が分かるようにすると、投資家が集まりやすくなります。
また、説明的すぎる・資金集めの目的が伝わらない内容では、最後まで読まれずに終わってしまいます。
クラウドファンディングの資金集めに至った切実な理由や、企業担当者の想いが書かれたプロジェクトであれば、投資家からの注目も集まりやすくなります。
どのように宣伝すれば自社のプロジェクトに魅力を感じてもらえるか、企業や個人は徹底的に考えなければなりません。
魅力的なリターンを用意しなければならない
プロジェクトに魅力的なリターンを設定しておくと、出資する投資家は増えていきます。反対に、投資家の意図を理解していないリターンでは、資金が集まりません。
CAMPFIREのHPでは、平均支援額に一番魅力的なリターンを設定・リターンを10〜20種類用意する・限定数を設定・サイズや大きさなどを詳細に記載するのが重要とされています。
利用するクラウドファンディング会社によって、リターンの推奨設定は変わりますが、ポイントをしっかり押さえたリターンを考えなければなりません。
基本的なリターンの例は次のとおりです。これらを参考に独自のアイデアを組み込んだリターンを設定しましょう。
- 実物：プロジェクトの成果として制作されたもの（本・CD・利用権など）
- 記念品：プロジェクトの実行過程で制作されるもの（コンセプトブック・サンプル音源など）
- グッズ：プロジェクトの宣伝に使用するノベルティ（キーホルダー・Tシャツなど）
- クレジット：出資者の名前を記載（エンドロール・イベント会場での掲示など）
- 経験・体験：出資者がプロジェクトに参加（エキストラなど）
- お礼：直接出資者へお礼（活動報告の限定公開・電話でお礼など）
- イベント招待：プロジェクトの進行中に開かれるイベントへの招待（ライブの打ち上げ参加など）
- ユニーク：特別な起案者にしかできないリターン（出資者の自宅で演奏会など）
※CAMPFIRE「魅力的なリターンを組むための4つのポイントと注意点」参照
プロジェクトが被る可能性が高い
クラウドファンディングに参入する企業や個人が増えたことで、似たプロジェクトが大量に出現するようになりました。
投資家目線で考えると、そっくりなプロジェクトが大量にあると、内容を見るのが面倒でそのままスルーしてしまうでしょう。
対処法としてはSNSでの集客・動画でプロジェクトを説明する・タイトルを徹底的に工夫する方法があります。
SNSでの集客は、あらかじめライバルと差別化を図ったプロジェクトを計画してから行います。発表前に徹底的に宣伝することで、資金集めがスムーズになります。
公開するプロジェクトには、説明用の動画を掲載しておくと良いでしょう。より具体的な内容を投資家にイメージしてもらえるため、成功率が向上します。
プロジェクトのタイトルも徹底的にこだわりましょう。専門用語は省き、数字や簡単な言葉を使って「小学生にも伝わる」タイトルに仕上げます。
プロジェクトは被る可能性が高いので、これらの施策が重要です。下準備をしっかりしておくことで、目標額は達成できるでしょう。
クラウドファンディングで成功するための5箇条
クラウドファンディングでの資金集めは容易ではないとお伝えしました次に紹介する5箇条は、クラウドファンディングでプロジェクトを成功させるために実施していただきたいポイントです。
既にご紹介したものもありますが、それだけ資金集めには重要な施策なのです。詳しく解説していくので、資金集めを検討している方はぜひ参考にしてください。
- 500円以下でもリターンを作る
- 募集期間はできるだけ短くする
- プロジェクトの内容を動画で説明する
- タイトルで心を掴む
- 10万円規模でのテストをする
500円以下でもリターンを作る
たとえ投資額が500円以下でも、値段に見合う魅力的なリターンを設定しましょう。少額投資へのリターンが魅力的であれば、高額投資にも注目が集まります。
しかしなぜ少額投資へのリターンをしっかり決めることで、高額投資に興味を持つ投資家が集まるのか疑問に思う人もいるでしょう。
ここでプロジェクトをケーキ屋、リターンをケーキに例えてみましょう。このケーキ屋で販売している小さなケーキはボロボロですが、ホールケーキはどれも綺麗です。
しかしいくらホールケーキを綺麗にしても、小さなケーキに気を配っていないと誰も購入したがりません。しかし全てのケーキが、とても美しい場合はどうなるでしょうか。
小さなケーキが美味しそうに見えれば、自然にホールケーキにも注目が集まります。これがリターンをしっかり設定しなければならない理由です。
CAMPFIREではリターンを500円〜290万円の範囲で価格設定できます。プロジェクトのカテゴリによって設定はさまざまですが、最低金額に対してもリターンをしっかり決めましょう。
募集期間はできるだけ短くする
成功するプロジェクトの90％は公開後5日間で一定額を集めるのに成功していると、READYFORの調査で明らかとなりました。
一定額の詳細ですが、公開から5日以内に目標金額の10％が集まると成功率70％、20％が集まると成功率90％であると同サイトに記されています。
つまり募集期間を長く設定しても意味がないのです。最初から募集期間が短いと、プロジェクト開始直後から目標金額に到達しやすくなります。
スタートダッシュで目標を達成するには、プロジェクト公開前の宣伝が重要です。Twitter・Instagram・FacebookなどのSNSを活用して、事前にプロジェクトの詳細を発信しましょう。
信頼できる身近な人から投資を募るのも効果的です。最初に知り合いから投資してもらうことで、プロジェクトに興味を持つ第三者が参入しやすくなります。
プロジェクト開始前の宣伝を徹底的に行い、投資家が集まりやすい環境を築くことで、短期間で目標を達成できる可能性が高まります。
クラウドファンディングの成功には、徹底した基礎固めが必須なのです。
プロジェクトの内容を動画で説明する
プロジェクトページには、凝った内容の宣伝動画を設置しましょう。写真や文章だけでは伝わらない熱量は、動画を通して投資家に伝えられます。
クラウドファンディングの民間企業Kickstarterの調査によると、全体の成功率40％に対し、動画がある場合は50％、そうでない場合は30％であると公表されています。
個人でもクラウドファンディングに成功している人は、ほとんどのケースで動画を掲載しています。プロジェクトへの情熱が伝わる動画は、投資家の行動を促す最適なツールなのです。
動画はプロジェクトページを見た人が、SNSに拡散してくれることもあります。投資家の力を使った宣伝ができるのも動画を設置するメリットです。
再生時間はなるべく短くし、オープニングでインパクトを与えると最後まで見てもらえる可能性が高くなります。必ず主催者本人も出演し、プロジェクトにかける思いを伝えてください。
タイトルで心を掴む
プロジェクトのファーストインパクトとなるタイトルは、案を出し合って徹底的に推敲すべき重要なポイントです。
目を引くタイトルを作るには、①客観的な事実が分かる文章を盛り込む・②プロジェクトの内容や特徴が一目で分かるようにする、この2点が重要です。
①世界一〇〇、○個限定など、数字を印象づけて独自性をアピールするのが効果的です。オンリーワンのプロジェクトと印象づけられると、プロジェクトページを読んでもらえる確率が上がります。
例：英会話学習AIロボット「Musio X」Ver.2.0 新機能追加特別記念 限定アイテムを販売
②タイトルの前半でプロジェクトの概要を伝え、後半で「これは何だろう？」と思わせるインパクトを盛り込むことで、内容と特徴を一発で伝えられます。
例：誰もが笑顔になる瞬間をつくりたい。シャボン玉のような繊細な形とゆらめき、光と影を愉しむアート照明。
タイトルを決める際は、1つのタイトルをひたすら考えるより100個、200個と大量にキャッチを作ると良質なキャッチコピーが生まれやすいとされています。
たくさんの人からアイデアを吸い上げ、魅力的なタイトルに仕上げましょう。
10万円規模でのテストをする
本格的にプロジェクトの募集をかける前に、10万円規模でテストするのも効果的です。本番同様の環境で実験することで、参考となるPV数のデータが得られます。
テストする前は、ご紹介したリターン設定・募集期間・動画作成・タイトルを工夫し、本番と全く同様の準備で臨むのがポイントです。
小規模のテストが成功すれば、そのまま本番のクラウドファンディングを実施してよいと判断できます。反面資金が集まらない場合は、準備に不足がないか徹底的にチェックします。
手順は多いものの、テストで集客率を測るのは非常に有効です。クラウドファンディングを成功させるためには、実にさまざまな施策が必要なのです。
クラウドファンディングは、集客に時間がかかることを覚悟したうえで利用しましょう。
クラウドファンディング 難しいのまとめ
ざっくりまとめると…
- クラウドファンディングは簡単ではない。しかし工夫次第で目標は達成できる
- タイトル・リターン・同一プロジェクトへの施策が必須
- 成功したプロジェクトは、成功への施策をきちんと実行している
- プロジェクトは公表前の下準備で全てが決まる
今回は、クラウドファンディングの資金集めが難しいとされる理由や、無事に成功するための5箇条を紹介しました。
クラウドファンディングは事前知識をしっかり身につけ、下準備をしっかり行うことで成功率は格段に向上します。
資金集めを検討している人は、事前準備にも時間やコストがかかることを把握しておきましょう。