クラウドファンディングで乞食は成立するのか?乞食に思われない/出資しない為の対策を紹介!

この記事を読んで分かること
  • クラウドファンディングの乞食行為ってどんなもの?
  • クラウドファンディングが乞食だと思われる理由は?
  • クラウドファンディングで乞食が起きた事例はあるの?
  • 乞食に出資しないために注意することは?

今回はこうした悩みや疑問にお答えします。

「クラウドファンディングで本当に乞食ってあるの?」と思うかもしれませんが、私欲による資金集めや使途不明の募集によるトラブルは跡を絶たず、一部では炎上騒動にまで発展しています。

自分のプロジェクトが乞食と勘違いされるリスクや、乞食と知らずに出資するリスクを少しでも減らしたいと考える方も少なくないでしょう。そこで今回は、信頼されるプロジェクトの立ち上げ方や、乞食に出資しない方法を解説しています。

この記事を読めば、双方が自信を持ってクラウドファンディングできるようになりますよ!

目次

クラウドファンディングのシステムをおさらい

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から出資を募る方法です。

新規事業に必要な資金を集めたい起案者が企画を公表し、その熱意や理想に共感した人が出資します。そして事業が成功した暁には、あらかじめ設定していたリターンを還元する仕組みです。

アイデアを持つ人は誰でも起案者になれることから、クラウドファンディングは新たな資金調達手段として注目されています。

クラウドファンディングでの乞食とは?

クラウドファンディングの乞食とは、個人の利益を優先した資金の調達、またはそれをする人を指します。

本来クラウドファンディングとは、「こういった社会問題を解決したい」「将来こんなサービスを提供したい」といった社会貢献に必要な資金を募るのが目的です。

しかし、クラウドファンディングで乞食する人は「働きたくないから出資してほしい」「ペットの治療費を集めたい」などと自己都合だけで資金集めをしようとします。

また、クラウドファンディングは「プロジェクトの明確な方向性」「進捗条項の開示」「返礼品の準備」が必須ですが、乞食の場合これらを疎かにする傾向にあります。

つまり、乞食は出資者の気持ちに配慮しない悪質な行為なのです。

クラウドファンディングが乞食と思われやすい理由

クラウドファンディングが乞食と言われてしまう理由は様々です。

個人でも簡単に資金を集められる反面、明確な使途と使用者へのリターンを提示しなければ、たちまち乞食と批判されます。

例えば「生活費を出資者に出させる」「リターンを用意しない(もしくは出資額に見合わない)」「資金を集める目的が不明確」などが挙げられます。

クラウドファンディングは「起案者と出資者が一丸となって社会貢献する手段」です。それを私利私欲のために使えば、当然批判や信用失墜につながります。

このように、乞食と言われる理由は複数あるため要注意です。1つでも当てはまらないよう十分な配慮を心がけて下さい。

クラウドファンディングが乞食と思われやすい理由
  • 個人が生活費を集金しようとするため
  • リターンの設定が甘い
  • プロジェクトの途中経過が報告されない

個人が生活費を集金しようとするため

資格・学費・旅行などの生活費は、自己資金で賄うのが一般的です。こううした生活費を出資者から募るのは乞食と言われる行為に当たります。

例えば、過去にモデルの女性が自動車免許取得にかかる費用をクラウドファンディングで集めて炎上しました。

このように、影響力のある人物ほど、ファンなどから生活資金を募ろうとする傾向があります。

それだけでなく、貧しい人々に貢献する目的で資金を募った女子大生が、実は生活費や備品購入に使用する目的でクラウドファンディングを利用していたケースもあります。

個人の場合、公共性の高いクラウドファンディングと偽って生活費を募る傾向にありますが、これは出資者の善意を悪用した許されない行為です。

私利私欲による資金集めは炎上のネタになるだけでなく、嘘の理由でクラウドファンディングを利用すれば最悪逮捕される可能性もあります。


生活費を募るためのクラウドファンディングは社会的信用を失う行為です。決してやらないようにしましょう。

リターンの設定が甘い

リターン設定が甘いと「出資者をないがしろにしている = 乞食だった」と思われても仕方ありません。

リターンにかかる費用は送料+消費税込みで考えるのがポイントです。こうすることで、リターンに費用がかかりすぎて手元に資金が残らないミスを防げます。

ここで具体的なリターンの事例を紹介します。

リターンの具体例
  • 実物:プロジェクトの成果として制作されたもの(本・CD・利用権など)
  • 記念品:プロジェクトの実行過程で制作されるもの(コンセプトブック・サンプル音源など)
  • グッズ:プロジェクトの宣伝に使用するノベルティ(キーホルダー・Tシャツなど)
  • クレジット:出資者の名前を記載(エンドロール・イベント会場での掲示など)
  • 経験・体験:出資者がプロジェクトに参加(エキストラなど)
  • お礼:直接出資者へお礼(活動報告の限定公開・電話でお礼など)
  • イベント招待:プロジェクトの進行中に開かれるイベントへの招待(ライブの打ち上げ参加など)
  • ユニーク:特別な起案者にしかできないリターン(出資者の自宅で演奏会など)

CAMPFIRE「魅力的なリターンを組むための4つのポイントと注意点」参照

プロジェクトの途中経過が報告されない

寄付型のクラウドファンディングでは、災害支援や社会問題解決といった公共性の高いプロジェクトに必要な費用を調達する目的で支援を受けられます。

こうしたケースでは、出資者が「寄付した資金がどのように使われているのか」を確認したがる傾向にあります。善意の活動に対してきちんと資金が使われたのか知りたくなるのは当然です。

しかし、プロジェクトの途中経過が報告されないと、出資者は「その後どうなったの?」「もしかして持ち逃げ?」と不安な気持ちになります。

なかには、一見社会貢献のために思えるプロジェクトでも、資金使途の詳細を記載していないケースもあります。この場合クラウドファンディング詐欺の可能性があるので要注意です。

このように途中経過の報告を怠るだけでなく、詐欺目的で資金使途を公開しないケースは、まさに乞食と言われる行為といえるでしょう。

起案者は、常に出資者に対して誠実でなければならないのです。

クラウドファンディング乞食行為の事例まとめ

ここからは、過去にクラウドファンディングで乞食が起きた実例をご紹介します。

クラウドファンディング乞食行為の事例まとめ
  • 「夢のバトン」プロジェクト
  • 「和歌山市の野良猫保護クラウドファンディング」
  • 「MacBookが欲しい!」

「夢のバトン」プロジェクト

2015年に京都在住の女子学生が「あなたの夢と世界中の子どもの夢をつなげたい」と題したプロジェクトを立ち上げました。

3万円以上の出資者に将来の夢と発展途上国の子どもたちに向けたメッセージをスケッチブックに書いてもらい、それを女子大生が持って世界一周する、といった内容です。

しかし、公表された内訳には「カメラ代15万円」「生活費93万円」と私的な支出を思わせる内容が散見されたのです。

また本人のFacebookにも「一生遊んで暮らしたい」と書かれていたことから、遊ぶ金欲しさで資金調達したと疑われ大炎上し、計画は中止となりました。

「和歌山市の野良猫保護クラウドファンディング」

2018年に和歌山市が「殺処分ゼロを目指して!猫たちの【不妊去勢手術】の実現にご協力ください!」と題したクラウドファンディングを実施しました。

公共性の高いプロジェクトだったことから、目標金額1800万円に対し2458万円もの寄付が集まったそうです。

しかし、その後の市議会で、寄付金が印刷費・広報費・自動車保険料・賃貸料などに使われているとの指摘がありました。この議会中継はネット上に公開され炎上しています。

現在は寄付金の残額と資金使途を和歌山市ホームページに掲載しています。

「MacBookが欲しい!」

女子大生ブロガーが4年間使用していたPCが壊れたため、「Macbookが欲しいです!」と題したプロジェクトを立ち上げました。

この時点で、自己資金で買わないことに対する批判もありましたが、大炎上した理由は別にあります。

提示されたリターンはTwitterでの報告のみであり、とても適切なものとは言えません。加えて、当初予定していたMacBookではなくSurfaceを購入したことで、乞食だと批判され大炎上しました。

私利私欲かつ出資者をないがしろにするプロジェクトは炎上しやすい、というお手本のような事案と言えます。

クラウドファンディング乞食を見破る4つのポイント

クラウドファンディングで乞食に出資しないためには、4つのポイントを意識するのが大切です。

起案者とプロジェクトの内容をしっかり見定めることで、後悔のない出資を実現できます。

クラウドファンディング乞食を見破る4つのポイント
  • 資金調達の理由や使い道に納得してから出資する
  • タイトルに騙されない
  • 起案者の評判を信用しすぎない
  • 急増するプロジェクトの背景について調べてみる

資金調達の理由や使い道に納得してから出資する

クラウドファンディングで資金集めをする合理的な理由があるか見極めましょう。これはプロジェクトの内容をしっかり読むことで対策できる簡単な方法です。

例えば「心臓手術が必要な子どもを助けたいが、アメリカへの渡航費用と手術費が足りない」という理由なら、大金を個人で用意するのは難しいと判断できます。

もしこれが「オーディションを受けるために歯科矯正をしたい」という理由だと、バイトで賄える費用を募っていることになり、資金がない正当な理由とは言えません。

このように、自力ではどうしても賄えない費用が必要なプロジェクトなのかをしっかり確認するのが大事です。

タイトルに騙されない

プロジェクトの内容は最後までしっかり読んでから出資を判断して下さい。タイトルや最初の文章だけで判断すると乞食にだまされる可能性があるためです。

信用度の高い案件の特徴として、「ロードマップが充実している」「具体的な数字が多い」の2点が挙げられます。それぞれ解説していきましょう。

1つ目のロードマップですが、出資金を使って「いつまでに」「どんなことを」「どのように」実現させるかを明確に記載されているプロジェクトほど高い信用度があります。

2つ目の具体的な数字の例として、「野良猫の保護活動に3,000万円」と明確な資金使途を公表していると、出資金をきちんと扱う起案者と評価できるでしょう。

見栄えのするタイトルや最初の文にだまされず、中身をしっかり精査するのが大切です。

起案者の評判をうのみにしない

起案者の評判について調べるのは良いですが、あくまで参考程度にしておきましょう。良い評判を流すアカウントが乞食する起案者の仲間である可能性もあります。

対策として、起案者に直接コンタクトを取って信用度をチェックするのも効果的です。過去のクラウドファンディングの実績があればそちらも参考になります。


自ら行動して集めた1次情報を元に、信用できる起案者であるかしっかりチェックしましょう。

急増するプロジェクトの背景について調べてみる

似た内容のプロジェクトが急増している場合、その問題の背景も調べておきましょう。

2022年4月現在で急増しているプロジェクトぶは、猫コロナウイルス感染症であるFIP(猫伝染性腹膜炎)にかかった愛猫への支援を呼びかけるものがあります。

一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムのHPによると、FIP(猫伝染性腹膜炎)は猫の体内でウイルスが突然変異することで発症し、死亡率が極めて高い病気と言われています。

クラウドファンディングで治療費を募る飼い主は、日本で認可されていない投薬治療を実施しており、その治療総額は100万〜200万円以上になるケースもあるそうです。

こうした背景を踏まえると、猫の治療費や生活費を求めるのはおかしくないように思えますが、果たして本当に正当と呼べる理由なのでしょうか。

保険がきかない病気の治療が大変なのは分かりますが、なぜ自費で賄えないのでしょうか。特に治療費を工面しても足りない、といった旨の記載がないと尚更です。

このように、一定期間の間に急増するプロジェクトについては、そのどれもが正当な理由によるものとは言えないのです。

クラウドファンディング以外の投資でも注意すべき3つのポイント

最後に、クラウドファンディングを含む全ての投資で注意してほしいポイントを解説します。

世の中には「投資で失敗した」と語る人が少なくありません。その多くは、投資の本質を理解しないまま資金を投じ、結果として財産の多くを失っています。

投資の失敗を回避するには、まず投資の仕組みをしっかり把握し、損失をカバーできる範囲で取り組むのが最適です。

クラウドファンディング以外の投資でも注意すべき3つのポイント
  • そもそも投資とは?
  • 投資は必ず儲かるものではないと心得る
  • 投資は自己責任であると覚悟する

そもそも投資とは?

投資とは「プロジェクトなどで利益が発生すると見込んで自己資金を投じ、予想が的中すれば相応のリターンがもらえる仕組み」を指します。

株式で考えてみると分かりやすいでしょう。今後売上が伸びると予想した企業の株式を購入し、その後事業が成功したら株価が上昇するので売却によって利益を得られます。

更に、株式を持ち続けていれば配当金や株主優待を受け取れます。利益が出れば出資者は出資額に応じたリターンを受け取れるのです。

また、利益があるなら当然損失も発生します。プロジェクトに損失が出た際は、出資額に応じたダメージを覚悟しなければなりません。

このように、投じた資金の大きさに比例した利益や損失が発生するものを投資と呼びます。

投資の仕組みが分かれば、「必ず儲かります!」という話が詐欺であるとすぐに分かるでしょう。絶対もうかる仕組みは存在しないのです。

世の中には多種多様な投資が存在しますが、本質は全て同じです。利益と損失は必ず発生すると覚えておきましょう。

投資は必ず儲かるものではないと心得る

先程もお伝えしましたが、必ず儲かる投は存在しません。失敗と成功は50%ずつの確率で発生します。

投資する際は、投資先の事業内容・経歴・成果・プロジェクト内容に加え、業界の動向・世界情勢など、ありとあらゆる情報を分析して投資するか判断します。

こうして投資先のプロジェクトが成功するであろう根拠を自分の中で積み上げ、最終的に投資を判断するのです。投資で利益を積み上げるのは並大抵のことではありません。

もちろん分析が外れることもよくありますが、失敗を考慮した金額を投じることで大敗を防ぐことが可能です。成功を期待しつつ失敗に備えるのが正しい投資のやり方です。

このように、日々投資家は成功の確率を引き寄せる努力を欠かしません。何度も申し上げますが、投資は簡単に勝てるものでも100%成功するものでもありません。

投資で利益を得るには、相応の努力があってこそリターンを得られるのです。

投資は自己責任であると覚悟する

投資は全て自己責任です。たとえプロの投資相談を受けたとしても、投資責任は自分で背負わなければなりません。

日本証券業協会のHPを見てみると、投資は投資者自身の判断と責任において行うものであるという「自己責任原則」の考え方が掲載されています。

つまり、失敗した時の損失も全て自己責任で負担するのが前提です。投資にはどのようなリスクがあり、それは許容範囲内であるのかを確認する必要があります。

投資のリスクを理解せず、大金を得る手段だと勘違いする人は大損します。慎重な判断ができない人は投資に向いていません。

一方、商品内容の理解とリスクの想定ができる人は投資に向いているでしょう。

クラウドファンディング 乞食のまとめ

この記事を
ざっくりまとめると…
  • 乞食は出資者の善意を踏みにじる行為であり、決して許されない
  • 起案者は、プロジェクトの透明性を証明するための工夫が必要
  • 出資者は、起案者やプロジェクトの裏を取ってから出資するか判断する
  • 投資は成功と失敗の紙一重であり、全て自己責任で行わなければならない

今回は、クラウドファンディングが乞食と思われない方法や、乞食に出資しないための方法について詳しく解説しました。

個人や法人を問わず活動資金を集められるメリットがある一方、使い方を間違えるとたちまち大きな騒ぎに発展します。

起案者は出資者全員に対する責任を自覚し、出資者もプロジェクト内容を吟味するなど、双方がより良く利用できる工夫が必要です。

対策をしっかり実行し、気持ちよくクラウドファンディングを利用しましょう!

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