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ラップドビットコインの覇権争いが激化、クラーケンがkBTCを発表

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仮想通貨取引所クラーケンが、新たなラップドビットコイン製品「kBTC」を発表し、Coinbase、21.co、BitGoなどとの競争が本格化している。

クラーケンは、イーサリアム(Ethereum)のエコシステム内での影響力を強化し、DeFi(分散型金融)市場での存在感を高める狙いがある。

目次

kBTCの概要と透明性の確保

kBTCはビットコインを裏付けとするERC-20トークンで、BitGoが提供する市場をリードする「ラップドビットコイン(WBTC)」に対抗する形で設計されている。

WBTCの時価総額は100億ドル(約1兆4,900億円)に達する一方、Coinbaseの「cbBTC」や21.coの「21BTC」も新たに市場に参入している。

クラーケンは「オンチェーンの透明性」を重視し、kBTCはWyoming州の規制下にある「Kraken Financial」で管理される100BTC(約670万ドル=約10億円)を裏付けとしている。

このトークンはイーサリアムおよびOptimismといったレイヤー2ネットワークでの運用が予定されている。

DeFi市場拡大に向けた戦略

ラップドビットコイン製品は、ビットコインの所有者がイーサリアム基盤のDeFiプロトコルで担保として利用できるようにする手段を提供する。

クラーケンの資産成長・管理責任者マーク・グリーンバーグ氏は、「BTCを活用できるこの製品は、DeFiの普及を加速させる」とし、「未来はオンチェーンにある」と強調した。

WBTC管理体制の変更を巡る議論と競争

今回のkBTC導入は、BitGoのWBTC管理体制変更を巡る議論の影響も受けている。

BitGoは香港のカストディプラットフォーム「BiT Global」との共同事業を開始したが、トロン共同創設者ジャスティン・サン氏の影響が懸念されている。

Sky(旧MakerDAO)のリスク管理チームも、「この事業は容認できないリスクを含んでいる」と指摘したが、BitGoのCEOマイク・ベルシェ氏は「BiT Globalの影響は限定的である」と説明した。

市場競争の激化と今後の展望

CoinbaseのcbBTCは、9月の導入以来6,515トークン(約4億4,000万ドル=約656億円)の供給量を達成する一方、WBTCの供給量は15万3,000トークンから14万9,000トークンに減少している。

また、21.coの21BTCは116トークンの供給にとどまっている。

BitGoの広報担当者は、「WBTCが5年間で10億ドル規模に成長する過程を支えられたことは光栄だった」と述べ、「今後の市場の成長が楽しみだ」とコメントしている。

kBTCの導入は、ラップドビットコイン市場の競争をさらに促進し、ビットコイン担保のDeFiエコシステム拡大に向けた重要な一歩となることが期待されている。

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